街角のコミュニケーション

世の中コミュニケーションだらけ。

言葉の殺傷力

「お前、殺すぞ」

私のしくじりコミュニケーションの一つ。

私が口にしてしまったリアルな言葉。

もう20年以上前の話しだ。

相手は、同じ会社の営業に近い立場の人間で

キャリアは私の2コ上。

仕事が上手くいった時は、自分の手柄にして

仕事が上手くいかない時は、他人のせいにするようなやつ。

典型的な嫌われ者である。

こいつと仕事をするときは、心の平静を保つ事に

配慮しなければならなかった。

つまり、自分がキレないように注意していたのだが・・・。

そんなある日、こいつとの仕事で何かのミスがあって

クライアントに事情を説明することに・・・。

すると、こいつ

「うちのスタッフが勝手にやったことです」

いやいや、違うし。

けれど、クライアントの前で反論もできないので

「スミマセン」と私。

とにかくこいつは自分の保身のためだけに

しゃべり続けた。

この流れで言ってしまった。

「お前、殺すぞ」って。

この一件は、こいつが総務部にチクったおかげで

ちょっとした事件になり

私はかなりのペナルティを負うはめになった。

こいつに謝罪もした。

当時の上司は「殺すぞ、はまずいぞ、殺意があるからな」と言ったけど

殺意を込めたのだから、当たり前だ。

私は相手に最高の恐怖を与えるために

いちばん殺傷力のある言葉をチョイスしたつもりだ。

(事実、ほんとに殺されると思ったらしい)

でも近年は

SNS界隈で猛威を振るった「死ねばいいのに」が

いちばん怖いと思う。

「死ねばいいのに」は呪詛だ。

どうしても死んで、という冷たさがある。

自分では殺らないけど、という狡さがある。

どことなく無責任な感じがするところが、また怖い。

「殺すぞ」は脅迫になるけど、「死ねばいいのに」は

脅迫にならない、というロジックに守られながら

(実はそうでもないらしいのだが)

周到に用意された言葉だ。

こいつに比べれば「殺すぞ」なんて可愛いものだ。

とにかく、言葉が殺傷力を持っているのは事実。

誰かと口論になって

売り言葉に買い言葉があって

より相手を傷つけようとするなら

「お前、死ねばいいのに」を

できるだけ無表情で言えば最強(最恐)だと思う。

うん、20年前のあの日に戻れたら、そうしよう。

いまは・・・言う方にも、言われる方にもなりたくない。

売り言葉に買い言葉で思い出した。

些細な事で同僚と口喧嘩になったとき

相手に「クズ野郎」と言われた事がある。

私は「カス野郎」と応戦した。

・・・「クズ」と「カス」ではどっちの殺傷力が高いだろう。

というか、子どもの「チ◯コ」と「ウ◯コ」と同じだ。

なんとも低レベルだ。


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