「何をしている時がいちばん楽しい?」と聞かれてリアクションに困る
「何をしている時がいちばん楽しい?」
私の隣の席に座る同僚に突然、聞かれた。
突然などと言うと、この同僚がおかしな人に聞こえるが
正確には、あまりにも大きなため息をついて仕事をしていた私を見かねて
声をかけてくれたのだ「何かあったの?」と。
最近、何かと調子の悪い私だが
人を心配させるほどの大きなため息をついていたとは
社会人以前に、やはり人間として問題がある。
何でもない、と応えるのも嘘くさいので、「最近、イマイチでね」と私。
そんなやりとりがあって、その流れで聞かれたのだ。
「何をしている時がいちばん楽しい?」って。
よっぽど私がつまらなそうに見えたに違いない。
この質問には正直、不意をつかれた。
「楽しむ」なんて、とても感覚的なことなので意識したことがない。
改めて、自分は何を楽しいと感じているのだろうか。と考えてみた。
そういえば最近、心から笑ってないよな。
決して、楽しい=笑うではないけど、そんな風にも思った。
「うーん・・・」。結局、私はこの質問に答えることができなかった。
仕事は楽しい?
それは、ない。
私にとって仕事とは辛くて、苦しいものであって、楽しいものではない。
よく「何か楽しい仕事したいね」なんて言う人がいるが
楽しい仕事なんてあるわけない。
地べたを這いつくばるように、泥水をすするように
もがきながら取り組むのが仕事だと思っている。
じゃあ、家庭は楽しい?
それも、ない。
家庭や家族は養うもので、楽しむ対象ではない。責任を果たす対象である。
こんな調子で私は 趣味は? 友人は?
といろいろ自問自答してみたが、ピンとくるものはなかった。
過去の私を思い出してみた。そうしたら、楽しいことがいっぱいあった。
どうやら、歳をとって楽しみ方を忘れてしまったらしい。
いや歳の問題ではないな、生き方の問題だ。
その証拠に、世の中には楽しそうな私と同世代の人たちがたくさんいる。
きっと、人生の勝ち組なのでしょう。
そんなひがみ根性すら湧いてくる。
ところで、今回の一件があって、「楽しい事」をネットで検索してみると
まあ、出てくる出てくる、ネガティブ思考。
「楽しい事ないかな?」とか「楽しい事がない!」に関するものがやたらとヒットした。
これには驚いたと同時に、ちょっと安心もした。
ひねくれた同族意識である。
ま、とにもかくにも、私の異常に気づき、声をかけてくれた同僚には
とりあえず感謝したいと思います。