『竹原ピストル』のライブに感じる熱さと心地良さ
竹原ピストルのライブは魂を焦がすほど熱いのだが、やたらと心地が良い。
竹原の謙虚な人間性、清濁の歌声、人の本質を詠った楽曲、チャーミングなMC。
そのすべてが成せる業だと思う。
そして居心地の良さを感じるもう一つの要因は、ライブの「客筋」である。
もちろん同じアーティストを観にきているのだから、ちょっとした連帯感はある。
けれどそれだけではない。
観客の平均年齢は有に40歳を超えているだろう。
年齢の近さから感じる親近感もある。
けれどそれだけでもない。なんとなく人間味があるのだ。人間臭いというのだろうか。
「みんな、生きてりゃ、いろいろあるよね」と労りたくなる感じ。
だからといって、うなだれているのではなく上を向いて生きている感じ。
普通の人より体温が高い感じ。
そんな一見、鬱陶しいオーディエンスの存在がまた心地良いのだ。
きっと、これもアーティストの竹原が、そういう人間を呼び寄せるのだろう。
いい歳のオヤジの唄を、いい歳のオヤジとオバサンが聴いてボロ泣きしている。
そんな光景をまったく知らない人が目の当たりにしたら、びっくりするに違いない。
ライブが終わると、目を赤く腫らした中年たちが会場を後にする。
これも異様である。けれど、私を含めた当の本人たちは
実に心地の良い読後感を抱きなから家路につくことができるのだ・・・。
本文とは関係ないけれど、私の大好きな竹原の曲「カウント10」の一節である。
ぼくは「人生、勝ち負けなんてないんだ」という人の人生に
心を動かされたことは、一度たりとも、無い。
うん、ホントその通り。
人生はいつも、勝ち負けの連続だからね。
最近は負けっぱなしだけど。